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English Gardens

ロンドン備忘録

ハムステッドヒース(パーゴラ編)

Rちゃんが言っていた「廃墟」は

ハムステッドヒースの敷地内にあるパーゴラと呼ばれる場所のようだ。

 

グーグルマップの経路をスクショして出発。

昨日とは逆の方向、高級住宅地をずんずんゆく。

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庭のバラはまだほとんど咲いていない。

どうも太陽の季節はひと月ほど遅れてくるらしい。

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Ceanothus(カタカナだとセアノサス?)とピンクのCistus(ゴジアオイ/午時葵)のコントラスト。

庭先でパシャパシャ撮っていたら、犬を連れた女性に話し掛けられる。

「これ(Ceanothus)きれいよね。私 大好きだわ。全部の家にあればいいと思う。」

「え、ああ、本当に…」

言い終わらない間に、犬と去っていった。

他人に気軽に話しかけられて、心が少し解ける。イギリスに来たんだから。

 

 

どこをどう曲がっても、同じような建物が同じように並ぶ。

坂を登れば登るほど、家は古くでかくなる。

 全ての道に名前が付いているので、角に打ち付けてある名前のプレートを見落とさないように歩く。

高い塀から垂れ下がるアイビーにハイタッチしながら進む。

 

グーグルマップの表示した時間を大幅に過ぎて、ハムステッドヒースの敷地の境目まできた。

この先は、森?草むら?薮?なんという日本語を使えばいいんだろう。

好きな感じがする。

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早速ルートを少し外れて、

道と並行に進みながら、

「呼ばれる」方へ。

 

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突然、ぽっかりと開けた草原に出る。

周りは木に囲まれていて、風が通ると草が波打つ。

その間から、バターカップの黄色い顔が

ぽこぽこと現れる。

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理想の草原だった。

(その「理想」が「何処かで見たことがある」感覚を生む。)

道はないけれど、何処へでも行ける。

だけどあまりにも美しくて、

しばらく立ちつくす。

泣きそうになる。

 

 

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(理想的な沼もある。) 

 

深呼吸をして、予定の方角へ進む。

正規の道を見失わないよう、少しだけ神経を使って、あとは風と光に身をまかせる。

遠くにウォーキングをする人達が見える。

誰も居ないけれど、孤独とは違う。

 

 ところでスクショしたグーグルマップの経路は、もはや道ではなく緑色の地面の上を這っていた。

方角の感覚だけを頼りに、

スマホの画面をと交互に周りを見渡す。

 

'Are you getting lost?'

驚いて声の方を向くと、中型犬を散歩中のおばちゃんがいた。

頭の中の、まだ迷ったと決まったわけではないのですが、という英語は、こうなって出てきた。

 

「ええ、そうなんです。パーゴラに行きたくて。」

「え?」

「パーゴラ(発音違うのかな)。ここ。(スマホを指す)」

「ああ、パーゴラね。こっちよ。」

頼もしい。

「ロンドンに住んでるの?」

「滞在してるだけです。40日間。まだ2日目です。」

「まぁそうなの。」

おばちゃんは犬に棒を投げながら、縦横無尽に分かれる森の小道を軽快に進んでいく。

これは、おとなしく迷子になってよかった。

 

5分ほど歩くと、塀に囲まれた敷地が見えてきた。

おばちゃんが、門のところで作業をしていたおじいさんに声をかける。

「おはよう、こちら日本からのお客さんよ。40日ロンドンにいるんですって。今日開いてる?」

「ああ開いているよ。どうぞ楽しんで。」

おじいさんはそう言って門の扉を開けてくれたので、おばちゃんと犬にお礼を言って別れる。

 

  • The Hill Garden and Pergola

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面白い場所だった。

Rちゃんが言っていた通り、お城の城郭がそこだけ切り取られたようだった。

ただ一見して管理はされていて、廃墟とは違う。

(誰の、何のための敷地なのかは、調べれば分かるだろうから、調べていない。)

周りはガーデンになっていて、花はまだ少ないけれど、それでも見るものはいくらでもあった。

 

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星型のチューブから何かむくむくと出てきてる!

これは何だろう??(後でわかります)

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Wisteria(フジ)と、アブラナ科の何か。

なんて素敵な紫たち。

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 いちごミルクのアイスのような、

ころんと可愛いチューリップ。

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 もったりと香りを放つライラック

 

パーゴラの裏はもっと整った庭園になっていて、日本では見ないオレンジや黄色がかったツツジが植えられていた。

 

この敷地の反対側の端はどこなんだろう。

さっきは門から入ったけれど、その門だって出入りは自由で、

反対側にもそういうものがあると思っていたのだけれど、行けども行けども「端」が見つからない。

不安になって引き返して、結局元の門から出る。 

 

ハムステッドヒースの広さを知るのは、もう少し先の話。