English Gardens

ロンドン備忘録

バンクシーを探して

6/10

 

こっちに来てからずっと部屋探しをしてきたRさんに、物件の下見について来てくれるよう頼まれる。

一昨日までだったら断ってただろうな。

 

ロンドン北東部のその街は、ネットでは治安があまり良くないと言われている場所。

でも、だいたいの場所が治安が良くない訳で。

(治安が悪くないということは、超高級な住宅街になってしまう訳で。)

それに、日本で引越しをしたことがない人がイギリスで部屋を探すのって、大変そう。

 

行ってみると最寄駅の隣に、でかでかとサッカーのオフィシャルショップ。

おっと大丈夫か。(サッカーに近づくとろくなことがなさそう。)

その家まで歩きながら、お店やバス通りを確認する。

確かに移民は多いけれど、ごみごみとしていて危ない感じはあまりしない。

宿の立地がいいから、相対的にどうしても不安にはなるけど。

私は福岡でも、半分は外国人なんじゃないかと思うようなところに住んでいて、ムスリムの人がいるのも普通。

でもRさんの住んでいるところは閑静な住宅街だろうから、とてもカオスに映っているのかもしれない。

元が心配性な人のようだし。

 

そのRさんが、トルコ系のお店を見て、歩きながら言った。

「バクラバって知ってる?」

ば…何?

「バクラバ。」

ばくらば?何ですかそれは。

「トルコのお菓子なんだけど、パイ生地にピスタチオか何かが挟まってるの。私一回食べてみたいんだよねー。」

ば…ら…

「バクラバ。」

バクラバ…を?

「そう。あ、バクラバ。」

 

ガラス張りの精肉店の店先にあったそれが、バクラバだった。

一口サイズの四角いパイの実みたいなものが、発泡スチロールのトレーにのって、ラップをして売ってあった。

 

噂をすればなんとやら。

それにしても、存在を知った2分後に本物に出会えるとは。

トルコの人がやっているムスリム向けの食材店なんだろう。

手頃な量のものを買って帰ることにする。値段も安い。

 

物件の下見が終わったら、私の散歩に少し付き合ってもらうことにする。

何となく探していたバンクシーが、何となくでは見つからないことが分かって、もうピンポイントで見に行くことにした。

f:id:cll_rose:20161210104929j:image

路地の奥。

アクリル板で保護されたストリートアート。

哲学だなぁ。

一応犯罪なんだよね?ここでも。

保護される犯罪とは。

 

そこから歩いて、一度塩対応を受けた花屋にもう一度行ってみる。

f:id:cll_rose:20161210105343j:image

やっぱり素敵。

今日はお店の人は一人で、怖くない感じ。

 

ここの人と友達の日本人に紹介してもらって来たのだけど、○○という人を知っていますか?

「分からない、最近の話?」

うーん、もう3年以上前かもしれない。

 「それなら分からないわ。私はここに来てまだ2年だから。ごめんなさい。」

いいえ、いいんです。とっても素敵なお店ですね。

「ありがとう。」

これ何ていう花ですか?

「ストックよ。」

ああそりゃそうだ。日本でもストックでした。じゃあこのバラとストックを。あとこのグリーンも。

「持って帰るのにどれくらいかかる?」

1時間以内には。

「じゃあ水を入れておくわね。」

ありがとう。

 

そう言って、茎を下からラップで包んで、上からシャワーで水を入れた!

確かに水を入れるとは言ったけれど、

そのまんまだった…

しっかり上に向けて、持って帰る。

f:id:cll_rose:20161210110309j:image

なんともきれいな、緑色のオーガンジーの布で結んでくれる。

多分これも捨てられないだろうなぁ、私は。

f:id:cll_rose:20161210110454j:image

 

宿に帰ってバクラバ大会。

Rさんが、カフェラテをつくってくれる。

(彼女は日本からハンドミキサーを持って来ていた。まあ私も花鋏を持ってきていたし、こだわるポイントは人それぞれだなと思う。)

f:id:cll_rose:20161210110924j:image

バクラバ、味の想像がつかない見た目。

食べてみたら、ミルフィーユ状のパイ生地の真ん中に、ピスタチオのペーストのようなものが挟まっていて、それが中までしっかり蜂蜜に漬けてあるのだけど、パイ生地は何故かサクサクなまま。

とてつもなく甘いのに、嫌な感じはしない。

なにこれー!美味しい!

ハムステッドのクレープの次に美味しい。

(ランクインしてくるのはやっぱり、イギリスの食べ物ではないのか。)

作ってもらったカフェラテと、よく合う。

 バクラバは何種類かあって、ピスタチオ以外にも何か挟まっていたり、上に何かトッピングされていたりする。

ただし甘さは共通。

「私はピスタチオのがバクラバだと思っていたけど、他のやつもバクラバって言うんだろうか。」とRさん。

死にかけた時に食べたいお菓子だなぁ。

 

友達の家に泊まっているYちゃんに、明日の連絡をする。

f:id:cll_rose:20161210112104j:image

駅で配られている新聞は、明日のパレード一色。

すごい人だろうなぁ。